都市ガスは災害時にどうなる!? 対応方法や日頃の安全対策
2019.11.06 更新
こんにちは。北ガスの工藤です。
災害大国と言われている日本。
近年は大きな地震が日本中で起こり、北海道も例外ではありません。
2018年に発生した「北海道胆振東部地震」では、北海道全域が停電となるブラックアウトや、大規模な土砂崩れに巻き込まれた方の尊い命が失われるなど、大きな被害に見舞われました。
今回は災害時の都市ガスの安全性についてのお話です。
万が一災害が起こった際の家庭でのガスの対応や、家庭で日頃からできるガスの安全対策についてご紹介します。
災害対策がされて安全性の高い都市ガスの特徴や、災害時に活躍するガス機器もあわせてお伝えします。
知っておきたい災害時のガスに関する対応
ガスに関して警戒が必要な身近な災害といえば、地震やそれによる火災です。
ガス機器を使っている時にぐらっと揺れた場合、火を消しに走りたくなりますが、まず一番に行ってほしいのは自分の身の安全の確保!
机やテーブルの下など安全な場所に移動し、揺れが収まるのを待ちましょう。
マイコンメーター(※ガスメーターにマイコン制御器を組み込んだ、遮断装置付きガスメーター)は、震度5相当以上の地震が発生した時にはガスの供給を自動的にストップする機能が付いています。
また、最新式のガスコンロは震度4以上の揺れを感知すると自動消火する機能がついています。
大きな地震の際は自動でガスの火が消えることがほとんどなので、安心してください。
揺れが収まったらガス機器の使用を中止して、ガス栓(元栓)を閉めましょう。
火災時、洪水時なども同様に身の安全を確保してからガス栓(元栓)を閉めます。
都市ガスの場合はマイコンメーターの近くにあるメーターガス栓を閉めることでガスの遮断ができますので、万一に備えて事前に位置を確認しておきましょう。
もしガスの臭いを感じたら、すぐに窓やドアを開けて換気を!
火気は使用せず、電気のスイッチなども触らないようにして、すぐに北ガスへ連絡をお願いします。
災害情報については北ガスのホームページや公式Facebook、公式ツイッターでも随時情報提供を行っています。
NHKが発信する生活・防災ツイッターや各自治体のホームページやツイッターなどでも、リアルタイムの防災方法を確認できます。(北海道庁のホームページはこちら)
災害時は不安や憶測からデマ情報など流れやすいので、必ず公式ページを確認するようにしてくださいね。
災害後に再びガスを使うには
災害復旧後に再びガスを使う際には、ガス機器本体や接続部、排気筒(煙突)などが外れたり変形したりしていないか確認してから使用しましょう。
ガス機器周辺でガスの臭いがしていないかも要チェックです。
地震や停電が起こった場合の対処法などが分かる「お困りごと解決ナビ」も、ぜひご利用ください!
マイコンメーターを確認し赤ランプが点滅している場合は、マイコンメーターで安全装置が作動しガスを遮断しています。
マイコンメーター復帰操作を行ってガスを復帰させましょう。
【マイコンメーターの復帰方法】
1.全てのガス機器を止め、メーターガス栓を開けた状態で復帰ボタンの黒いキャップを左に回して外します。
2.復帰ボタンを「カチッ」と手ごたえがあるまでしっかり押し、すぐに手を離します。
3.赤ランプの点滅を確認したらキャップを元に戻します。
※赤ランプ点滅中はガス漏れがないかを確認しています。まだガス機器は使用しないでください。
4.約3分後に赤ランプの点滅が消えたら、ガスが使えるようになります。
こちらの動画もご参考にしてください!
※赤ランプの点滅が止まらずガスの復帰ができない場合は、ガス機器の止め忘れやガス漏れの可能性があります。
まずはガス機器の止め忘れがないか確認し、止め忘れがない場合はすぐに北ガスへご連絡ください。
災害時に備えるために、日頃からできるガスの安全対策
災害時にガス事故を起こさないためには、日頃の安全対策が必要です。
家庭でできるガス機器や設備の安全対策をご紹介します。
日頃のお手入れ
ガス機器や排気筒(煙突)・換気扇などの点検・清掃は大切な安全対策です。
ガスコンロに汚れやゴミがたまると、そこに引火して火災につながる可能性もあります。
ガスコンロのゴトクやバーナー周り、また、暖房機裏側のエアフィルターなども定期的な掃除をおすすめします。
ガス機器・ガス管に劣化や破損がないかチェック
ガス機器の経年劣化や破損もガス漏れなどの事故の元となります。
毎日の清掃ついでにチェックするようにしましょう。
特にガスコンロのゴム管は劣化するとひび割れなどが起きやすいので、定期的に点検して劣化が見られた場合は交換しましょう。
都市ガスを利用している場合、地中のガス管(亜鉛メッキ鋼管)も経年劣化する部分の一つです。
ガス管(亜鉛メッキ鋼管)は腐食が進むとガス漏れの恐れがあるため、現在主流となっている、腐食や地震に強いガス管(ポリエチレン管)への取替をおすすめしています。
交換費用の見積もりは無料です。
ガス警報器を取り付ける
24時間体制でガス漏れを監視するガス警報器を設置するのも一つの方法です。
最近の警報器は、ガス漏れを検知すると「ガスが漏れていませんか?」と音声でお知らせするタイプが主流なので、わかりやすく便利です。
ガス漏れを早く検知できれば、素早く対応することができますね。
ガス警報器にはガス漏れだけではなく、一酸化炭素警報や火災警報の機能が付いたものもあり、さらに安全性を高めることができます。
「都市ガスは安全性が高い」と言われる理由
都市ガスは災害対策がされており、安全性が高いと言われています。
例えば都市ガスの場合は地震に強いガス管を導入し、供給エリアを細かく分けることで災害時にガス供給を緊急停止した場合も、その影響を最小限に抑えることができるようになっています。
過去の災害時には、全国の都市ガス事業者が協力し合って復旧にあたりました。
ガスが使えれば、乾電池で動くガスコンロや小型湯沸器を停電時に使用することができます。
※停電時は換気扇が使用できないため、窓を開けるなどしっかりと換気した上で使用しましょう。
電気炊飯器が使用できない停電時でも、ガスコンロがあればごはんが炊けますよ!
最新のSiセンサーコンロなら自動炊飯機能がついているので、非常時でも手間を省きながらおいしいごはんを炊くことができます。
ガスコンロの魚焼きグリルはオーブントースター代わりにできますので、トーストや、同時につけ合わせの野菜も焼くことができます。
素早く手軽に調理ができて便利です!
ガス機器では天然ガスを燃料として電気と熱を作りだす「コレモ」も、災害時に強いガス機器の一つです。
コレモはガスエンジンで発電をしながら、その際の排熱を利用して暖房も行います。
災害等で停電が起きてもコレモが稼働中であれば引き続き発電が可能で、停電時専用コンセントからの電気、給湯、暖房を使用することができます。
また、水素と酸素を化学反応させて発電し、その際の排熱で給湯を行う「エネファーム」も、停電時に一定量の電力を作り出して、電気、給湯、暖房を引き続き使うことができるので安心です。
コレモとエネファームの特徴や違いはこちらでも詳しくご紹介しています。
まとめ
・地震の時に怖いのがガス機器による火災。マイコンメーターは震度5相当以上の揺れを感じると自動でガス供給が遮断され、最新式のガスコンロは震度4以上の揺れを感知すると自動消火するようになっています。揺れを感じたらまずは身の安全を確保し、落ち着いてからガス機器の使用を中止してガス栓(元栓)を閉めるようにしましょう。ガスの臭いがする場合は窓やドアを開けて換気をし、すぐに北ガスへ連絡してください。
・災害でガス事故を起こさないためにも日頃の安全対策は重要です。こまめな手入れや掃除でガス機器のゴミや汚れを取り除き、部品の劣化や破損がないかも定期的にチェックしましょう。地中のガス管が亜鉛メッキ鋼管の場合は、腐食や地震に強いポリエチレン管への交換をおすすめしています。また、ガス警報器を取り付けることで安全性がさらにアップしますよ。
・都市ガスは災害対策がされており、安全性が高いと言われています。都市ガスでは地震に強いガス管を使用しており、供給エリアを細かく区切って被害を最小減に抑えられるよう努めています。過去の災害時には、全国のガス事業者が協力し合って復旧にあたりました。
・天然ガスを使って発電する「コレモ」や「エネファーム」などのガスマイホーム発電も災害に強い機器の一つです。
安心してガスを使うためにも安全性や経済性に優れた都市ガスへの切り替えもぜひ検討してみてください。
著者情報
エネルギー企画グループ
販売支援企画チームリーダー
工藤 鉄也(くどう てつや)
こんにちは!北ガスの工藤です。
札幌市南区生まれの南区育ち、学生時代はサッカーをずっとやっていました!
ガスへの切り替え営業担当を経て、現在は営業全般の企画を担当しております!
お客さまに喜んでいただける記事をお届けできるようがんばります!